◇メモログ
望月綾時のことを考える。
長身痩躯、色白。華奢とまではいかずとも男性を強く感じさせるとは言えない体格、及び顔立ち。目鼻立ちがくっきりしていて、鼻が高く(周囲の、とくに女生徒が言うには)エキゾチック。血管が浮き出るほどに青白い肌とは対照的に黒い髪。前髪を後ろに流して広めの額をさらしている。左目の下に泣き黒子。それ以外にはシミ一つない、完璧に白い肌。よくしゃべりよく笑う。笑うと垂れ目気味の目がさらに下がる。子供みたいな笑い方。いつも笑っているから、真顔になると別人のように感じさせる、冷たい顔立ち。鋭い顔立ち。彼自身からはそんな鋭さは感じられないし、彼はいつだって笑っていたから、最近までそれに気付かなかった。
望月綾時について考えてみて、思い浮かぶのはこのくらい。口に出せば一分もかからない、たったこれだけのことしか、外見の特徴でくらいしか、わたしは彼を説明出来ない。想像以上にわたしは、彼について何も知らなかった。失われてしまった彼のことを考えて、わたしは少しだけ途方に暮れた。


◆もしも望月とアイギスが親子だったら
 わたしのお父さんは、はっきりいってちょっとアホだと思う。
 童顔をごまかしたいのか知らないが、馬鹿みたいに寒い冬の日だってオールバックでデコ丸出しだし、カッターシャツにマフラー(しかも黄色。いい歳をしたオトナの男が黄色)なんておかしな格好を好んでいるし、週に一度はベッドから落ちるし、いすの角で小指をぶつける。この間なんて、左足をぶつけてよたよたしながら右足までぶつけて泣いていた。携帯電話を何処に置いたか分からなくなって、私にかけてくれと頼んできたのは何回あっただろう。お風呂に入れば逆上せるし、オトナのくせにニンジンがきらいでいつも残そうとする。いまだってビール一本でべろんべろんに酔っ払って、ひざの上に座らせたわたしをぎゅうぎゅう抱きしめて、ゆらゆら前後に揺れながら鼻歌なんかうたってる。
 「アイちゃん、アイちゃんはかわいいなぁ!」
 顔中にキスの嵐を降らせてにこにこしながら、口を開けばそればかり。お酒臭い息がかかってあまり嬉しくはない。こんなのが勤め先の会社で女の人にもてもてだというのだから、どうしようもない。
 「かわいいアイちゃん、さいしょはこーんなにちっさかったのにね」
こーんなに、としめした人差し指と親指の幅はあきらかに虫くらいしか入らないだろうという大きさ。
 「それがいまはこんなにおっきくなったんだねー。おとーさんうれしーなー!」
遠慮なくわしゃわしゃと撫でてくる物だから、わたしの髪の毛はぼさぼさだ。でもお父さんは、そんなことはお構いなしに、あっちこっちに跳ね放題のわたし髪に鼻をうずめてうれしそうにわらっている。
 「でも、もっとおっきくなったらさ。アイちゃんもおとなになって、おとーさんいままでありがとーございましたーって…どっかのおとこにとられちゃうんだよねー…」
わーやだなーとか言いながら腕に力を込めるからぐぇっと息がつまってしまう。お父さんがそれに気づいて、ごめんねって慌てて緩めるけれど、すぐにまたぎゅうと抱きしめてくる。
 「んーでも、そのほうがアイちゃんしあわせならー…おとーさんはがまんします……。おとーさんはね、やっぱりね、アイちゃんがしあわせーなら、それでいいや!」
 だからおとーさんよりアイちゃんのことしあわせにできるひとをみつけるんだよー、鼻先を首にあててぎゅーっと、こんどはちゃんと苦しくないよう加減して抱きしめられた。
 こんなかんじで、わたしのおとうさんはあたまのネジがちょっとゆるい。
 でも、本人はいやがってる童顔は優しそうでなによりきれいだし、オールバックは寒そうだけど顔が良く見えるからそのままでいいと思うし、わたしが選んだ服やネクタイをすごくうれしそうに着るし、寝坊はするけど遅刻は絶対にしないし、わたしがけがをして泣きそうになると、飛んできて、自分のほうがけがしたみたいにすごい顔で心配してくれる。ひとりっこで鍵っ子のわたしのために、一番新しくて一番かわいいと人気の携帯電話を買ってくれたし、逆上せるくせにお風呂好きで、いつも清潔だから、歳のわりににおいとかそんなに気にならない。大嫌いなニンジンも、わたしがたべなきゃだめだって言うとすぐにがんばってたべてくれる。なにより、だれよりわたしのことをあいしてくれている。
 だからきっと、お父さん以上にわたしのことを幸せにできるひとなんて、しばらくあらわれないんだろうな、と、いつも思ってる。
これを書いた日、電車ですごいラブラブなお母さんと幼児を見かけたんです。


◇後日談アホ話
「この鍵は・・・」
「寮の玄関に使えば現実に、二階のあの開かない扉に使えば過去に戻れますよ、姉さん」
「過去って・・・」
「私は絶対過去に戻る!戻って彼を助けるの!絶対死なせたりなんかしないんだから!そのためなら力ずくでも鍵を貰うわ!」
「岳羽!お前はあいつの決意を踏み滲ろうというのか!」
「ゆかりさん・・・」
「アイギス!あなたも止めるってんなら」
「ご協力致します!二人で力をあわせましょう!そして彼を助けるのです!」
「アイギス―――――!?」
「あっ姉さん私も入れて下さい!」
「いいこねメティス。みなさん、鍵を渡してくれませんか」
「何を言っているんだお前は!お前まであいつの」
「ふっ!」
「がはぁっ!」
「真田さん!?」
「ナイスよアイギス」
「邪魔者は排除致しました。さあみなさん、鍵を渡してくださいね・・・」
「アイギス―――――!?」


宇宙空間にて


「これで最後だ・・・絆から生まれたこの力、ワイルドカード、ユニバースで、ニュクス!お前を封印する!はぁぁ・・・・・・」
「待ってください!」
「って、えっア、アイギス!?みんな!?」
「主人公さん!私、ちょっと未来へ行ってささっとワイルドに目覚めてきました!一人では力を使い果たす封印も、二人でやれば大丈夫です!」
「はっ?」
「ったく一人でなんでもしょい込もうとすんなよな!」
「ばかばかっ!もう、置いてなんて行かないでよ!」
「リーダー、無理しないで下さい」
「まったく君は大した男だよ」
「ここまで来ては仕方がない・・・後輩には負けてられんからな!」
「リーダー、僕ホントはもっと貴方といたいんです!」
「ワンワンっ!」
「えぇ!?何言ってってかどうやって来たの!?」
「さあ主人公さんお手をどうぞ!」
「あっちょアイギス!手なんか繋いでどうするんだ!」
「決まっています、二人の力をあわせて封印するんです!」
「どうやって!」
「愛の力で!さあ繋いだ手を高く掲げましょう!みんなの心がひとつになれば、滅びなんて無問題!」
「ええええええ!!」
こうして、大いなる封印を施されたニュクスは、静かな星の海のなかで、安らかに眠り続けることになったのでした。
おわり!


◆いろんなCPに挑戦してみよう!
challenge1:主人公・舞子
「あっお兄ちゃんだ!ねぇねぇ今日は何して遊ぶ?」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ。・・・今日は舞子にプレゼントを持ってきたんだ」
「えっほんと!わーいうれしいなっ!」
「ほら、この中に入ってるよ」
「わっ大きな紙袋!でも軽いね、何が入ってるの?」
「ふふ、その中にはね、僕の作った舞子のお洋服が入っているのさ」
「お洋服?」
「ブルーの下地に白のフリル、裾はふわふわリボンも忘れずに!アリスコスの舞子に『おにいちゃん☆』なんて呼ばれた日にはもう僕はハァハァハ」強制終了

challenge2:望月・岳羽
「ゆかりさん、よければ今夜、この間のリベンジをさせてくれないかな。キミの為に三ツ星ホテルの最上階、美しい夜景の楽しめる特等席を用意するよ。見上げれば夜空に星たちが瞬き、見下ろせば街の明かりがまるで地上の星のように輝いているんだ。とても美しいよ、ぜひキミと一緒に眺めたい。ああ、でもだめだね、キミと一緒だとぼくはせっかくの星たちを見ることができない。だってキミという何よりも眩しく輝く存在が隣にいるんだから。僕の両目はキミのその栗色の瞳に吸い寄せられ、解放されることは無い。なんて罪な宝石なんだろう、こんなにもぼくの心をからめとって放さない。どこまでもキミの中に沈んでいくようだ、溺れてしまうかもしれない、美しいキミとひとつになれるならそれもいいかもしれないね。だからねぇ、ぜひ今夜、キミの時間をぼくにくれないかな、ねぇ、お願いだから話を聞いて、颯爽と去っていかないで」

challenge3:主人公・望月
「えっと」
「・・・・・・」
「おもい、んだけど?」
「おまえよりチビだから大丈夫だろ」
「キミけっこう筋肉あるから重いの!」
「ふうん、お前はほっそいよな。色も真っ白だし」
「ちょどこに手つっこんで」
「うわ、すべすべ・・・」
「やめ、ちょ、こそば、やっちょっ待って」
「おーおートリガラー」
「やっそっそんなとこっうあ」
「・・・・・・・・やめた」
「へっ?」
「ほそいし華奢だし、いけるかなーと思ったけど・・・失敗した。自分と同じ声が喘いでんのって萎えるわ。やっぱ女の子にかぎるなー」
「・・・馬鹿」